2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

多様化する社会に対応する人権

さて、民主主義を基調とした国々で戦後一番重要視されるようになったのは、人権ではないであろうか。アムネスティの年次報告書『世界の人権2007(アムネスティ・レポート)』では、世界150ケ国についての人権状況を掲載。一口に人権といっても、多義に渡る。各…

その他の戦争読解本

学部4年22歳な甥っ子の本棚を見れば、マンガがどど〜んと並んでるその他は、いくばくかの教科書・参考書と『バカの壁』や『見た目が9割』といった新書7〜8冊の他に『ゴーマニズム宣言』が1冊。イマドキってそんなもんかな。でへへへと笑ってる本人的に…

エリート様方が役にたつ状況とわ

他国と比べても旧日本軍参謀権力の範囲は格段にデカかったと思われるのだが、さてそこに座った数々のエリート様方がなんで無能だったのか。陸大にしても海軍兵学校にしても、その卒業者は合わせても6万人たらずという数は、本来業務の軍運営もキビシー。そ…

歴史への踏み入り方

ワタクシ、軍ヲタではないので、個々の軍人や兵器・作戦うんぬんにはナンの思い入れもないので、戦争に関する読み物を羅列して前回コメントのお題要請をさっくりかたずけようとしたら、そっちのほうが大変なことに。いやぁだって、なに書いてあったっけなー…

主体なき作為と不作為の作為の共同共謀

歴史修正主義者の主張は、南京事件にしろ集団自決にしろ従軍慰安婦にしろ「明確な軍の司令はないから、それらに関する軍の関与はなかった」ということである*1が、前回カキコしたとおり、盧溝橋事件をとっかかりとしてなしくずしに戦闘区域を拡大していった…

顔のみえない談合型協調

あうんの呼吸、上位者の意向を慮る暗黙の忖度関係というのはもう何べんもネタにしている事柄であるが、現在でも明確な言及がなされないと気がつかない者は、空気読めない奴=KYとしておみそ扱いされる。上下のこうした忖度関係は実は、両者にとってとても…

失敗の本質

『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』に依ると、旧日本軍の迷走は、過度な精神主義・戦力分析の欠如・過去の成功体験への執着という3点が原因であると書かれている。また最近の菊澤研宗『「命令違反」が組織を伸ばす』では、行動経済学の観点から軍の閉鎖性…

不作為の作為

前回頂いたコメント*1をネタにして、前回続きで思うこと。 *1:コメント内容を否定したいわけではないので、あしからず。

共同体と個人

個人としての意見をいおうとすると、「(外)敵の有利になるような身内批判をするな」とか、はたまた「共感できる・できない」とか「傷ついた」とかになるのは何故かというのが、もうずっと前からワタクシの素朴な疑問としてあった。個人が個人として立脚し…

過去はいつでも現在によって創作される

これまでレイシズム分析者があまりに長い間中心的に行ってきた、「教養」や「イデオロギー」によるアプローチにこの現象を還元してしまうことに警鐘をならすミシェル・ヴィヴィオルカは、現在はその差異が解消するどころかレイシズムもまた多様化しグローバ…

勅諭&勅語の有効範囲

さて、また歴史にもどると、『葉隠』的なものもミックス*1された武士道を基として陸軍向けにこさえたのが、『軍人勅諭』1878年。 「忠節・礼儀・武勇・信義・質素を旨としてお国の為に身を粉にして玉砕していった立派な兵隊さんたちは、そんな酷いことなぞす…

情緒関係と自己存在

しかし、いっくらそういってもそうそう他人に一族郎党の命かけてなんかやってらんない。結局はこの関係のままでは食っていけないので、幕府が崩壊したのは歴史的事実。其処まで行く前に、激しい自己矛盾をかかえるというのはどういうことかというと、「義理…

「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」

引用している『葉隠』が編纂されたのって、江戸時代も中期のこと。徳川幕府体制も安定して、そうそう武力実力行使で「下剋上」も「死ぬ事」もなくなった官僚侍たちに必要とされた訓話。まあ、めだたずおちこぼれず、なまぬる〜く勤めている子飼の「昼行燈」…

ふるまい=型としての一致団結

kmiuraさんとこへ2年前にしたコメント 「サムライを日本の表象とする最近の風潮ですが、「恋のはじまりの至極は片恋なり/主従の内など、この心にて澄むなり」(葉隠)つーことで、近世前期以降の「家」は、主君従者の情緒的な結合関係で、両者間での忖度と…

情緒という囲い

年が変わってしまいましたが、myペースで続けてますので、ひとつ、よろしこ。と、いうことで、これまでのカキコを振り返るフリして、よそ様での自己コメについての、あまりに重鈍で亀な補足うだうだ。。