2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

二重の記憶:EUのグランドデザイン

ずいぶん前に、ジャック・デリダとユルゲン・ハーバーマスの共同声明『われわれの刷新』*1のことや*2、アマルチア・センが『国連人間開発報告書』*3執筆に加わり「文化の自由」に関する数々の二律背反を解題してること*4を書いたのだけど、このような再構築…

ディコンストラクティヴィズム

ディコンストラクティヴィズム(脱構築主義)とは、定型化形骸化した言語、形式などを解体し、問い直す過程が建築プロセスとして視覚化した、批評を内包した方法論である。無論それは、デリダが言語において仕掛けたことと同義である。具体的な建築実践スタ…

生成プロセスへ向かう形式

さて最近は、所詮石+砂なコンクリばかりの周囲では結局は地面延長で風景から浮上できないとなると、全面強化ガラス貼りなスケルトン仕様が花盛り。しかしスケルトンでは存在感に欠けるとなるや、全面デジタル電飾コーティングで看板建物化する商業施設も出…

20世紀モダニズムの至上命題

とにもかくにも因習的伝統的仕儀(クラッシック様式の修辞的・象徴的・装飾的性格)は、否定しつくすのが20世紀モダニズムの至上命題。したから旧仕儀と断絶することが最重要で、その以前と以後の間にできたシャープな「切断面」それこそが、最もブランニ…

リアルの落とし所

前回id:hizzz:20081210の補講 具体的な脱構築〜再構築の仕方の変遷

放棄された再構築

今年に入って「ネタのタネ」では、歴史ネタを随分扱ってきた。id:hizzz:20080213#p1で歴史の見方について1.地域的為政者同士の政治経済事件中心、2.為政者または重要事件当事者とその周囲群像、3.社会文化中心、4.最新理論による構造実証と、4タイプに…

要請された巨悪

二項対立を解消する筈のポスト構造主義運動の前提にあるものは、その二項、形式/自由の永遠の対立・分裂であり、自由の要請に対して形式を刷新する際の形式の抵抗という前提である。それ故に、刷新を持ちかける者としての批評家という自由存在は正当化された…

形式と自由の動的循環

20世紀モダンの金字塔バウハウスからブランニューが育たなかったのは、ナチ台頭という時代変遷のせいばかりではない。モダンの名の基にユニバース化されようとしてる世界をデザインする為の教育制度という権威・形式主義が、ぶっちゃけモダンより旧式だった…

批評の様式化

批評は、事象を二分して批評する/されるの、主体/客体の決定から始まる。 かって表現における権威は、権力存在によって保護された。為政者権力のパトロンという支配/保護が薄れてきたモダンの平地で、自律しかつ表現権力として表面張力を保つには、批評性と…

批評のパラドックス

現代思想の十八番のように「ポスト構造主義」はやりとりされているが、このアイデアは元々建築デザインを土壌にしたもので哲学の発想ではないということが、しばしば忘れ去られてる。そもそも芸術は、たとえ「反芸術」「非芸術」な「コンセプチュアル」であ…

ネットの隅からの鎮魂

問題発言⇔謝罪の連続で関係はその都度揺れ動いてきたということを示す為に、このように時系列事象を並べてみたのではあるが、まー面倒な割にすこしも生産的ではない。しかし、情報収集してその過去情報の束から繋がりを掴むというのは、物事を考えるベースだ…

国家と国民と個人と

日本の侵略行為とその対処について、歴史修正派の「あやまるような事実がない」も、日本の沽券重視派の「もうあやまった」も*1、謝罪要求派の「あやまってない」も、どれも自分達が着目した部分的事象のみを取り出した断片的解釈でしかなく、このように60年…

謝罪関係を紡ぐことばとは。。。3

id:hizzz:20081203、id:hizzz:20081206前回の続き。

内政問題山積でぐだぐだ、福田を迂回して麻生政権

課題山積して突然政権について問題が片付かないままあっという間に辞めた福田康夫首相は、ダボス会議と北海道サミットという国際大イベントには参加は出来た。 2006年12月28日就任始め意気揚揚と訪中し首脳会談のついでに、中日派なところを覗かせて北京大学…

「美しい日本」の強硬な安倍政権

米ワシントン・ポスト紙「(安倍氏は)過去をごまかすことでは小泉首相より上だ。安倍氏は東京裁判の正当性を疑問視してきた」「新首相は歴史に誠実でなければならない」「過去の誤りを認めないなら責任ある民主主義として受け入れられないだろう」、シンガポ…

靖国参拝続行で冷え切った外交、小泉政権

「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編修された中学歴史教科書『新しい歴史教科書』扶桑社が検定公開され、議論の的となり、また「教科書問題」が外交問題化する。2001年2月28日韓国外交通商相は駐韓大使を呼び、現在検定中の中学歴史教科書の一部に植民地…

「神の国」発言で総ツッコミ、森政権

密室談合で小渕急死の後をついだ森喜郎首相は、、2000年5月15日神道政治連盟国会議員懇談会で「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知していただく、そのために我々(=神政連関係議員)が頑張って来…

謝罪関係を紡ぐことばとは。。。2

id:hizzz:20081203前回の続き。2000年以降の森→小泉→安倍→福田→麻生の劣化することばのぐしゃぐしゃ迷走ぶり。むりやり1ページにしてはみたものの、どうやらこのくらいが掲載容量Maxとなるみたいで、改編・追加が出来ないので、分割。

とりあえず1歩すすんで纏めようとした共同宣言

1996年6月、橋本龍太郎首相が訪韓する。 日韓共同記者会見 橋本龍太郎 1996年6月23日 例えば創氏改名といったこと。我々が全く学校の教育の中では知ることのなかったことでありましたし、そうしたことがいかに多くのお国の方々の心を傷つけたかは想像に余り…

村山談話前後の暴言・謝罪マッチポンプ

1994年7月、首相に就任した村山富一は談話を発表する。 内閣総理大臣談話 村山富一 1994年7月31日 1わが国が過去の一時期に行った行為は,国民に多くの犠牲をもたらしたばかりでなく、アジアの近隣諸国等の人々に,いまなお癒しがたい傷跡を残しています。…

問題収集のボールを投げつつ様子見

1991年5月東南アジア歴訪した海部俊樹首相は、シンガポールにて演説を行う。 ASEAN諸国訪問における海部俊樹内閣総理大臣政策演説 海部俊樹 1991年5月3日 今年は,太平洋戦争の開始から50年になります。この節目に当たる年に,私は,あらためて今世紀…

慰安婦問題の表面化

1970年代から慰安婦問題の解明&責任を追及する運動は始ってた。80年代末に韓国でドキュメンタリーが報道されたことがきっかけで、91年に元慰安婦女性が名乗りをあげたことで、韓国世論に火がついた。 内閣官房長官談話 加藤六月 1992年1月13日 1関係者の方…

「靖国」問題と詮議される謝罪のことば

1984年9月来日した全斗煥大統領の歓迎晩餐会での裕仁発言。 全斗煥韓国大統領歓迎宮中晩餐会天皇挨拶 裕仁 1984年9月6日 今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存在したことは誠に遺憾であり、再び繰り返されてはならないと思います。 http://www.ge…

「歴史認識」問題浮上

「歴史認識」が外交問題となったのは、「歴史教科書問題」が勃発した1982年6月以降のことである。教科書検定で「侵略」が「進出」に書き改めさせられたという報道が大々的になされ、中・韓政府から「歴史歪曲」として大批判がおきた。日本政府はこれに対応し…

とりあえずの国交回復

日本は韓国と国交を回復した後、両国の「過去の不幸な関係」について、「遺憾」と「反省」という文言が、両国で確認・明文化された。 日韓共同コミュニケ 1965年2月20日 李外務部長官は過去のある期間に両国民間に不幸な関係があったために生まれた、韓国民…

謝罪関係を紡ぐことばとは。。。1

昨今の反動保守な言説をみていると、「村山(&河野)談話」さえ粉砕すれば、日本の正しさが証明されるとでもいわんばかりな論スジなのだけど、他国との外交関係はそんな単純なものではない。もう少し事実関係を知ってる者は、日本側謝罪だけを羅列して(日本…