健康ってなんぢゃらほい

遺伝子試料収集つまずく 人権配慮なしと日医抗議
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20030716/20030716a4460.html
日医が遠山文科相に抗議書を提出
http://www.yakuji.co.jp/yakuji/headlinenews/hln2003071602.html
がん疫学研究延期 個人情報の法的保護を
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn03071803.html
がん予防へ町民の生活習慣調査 広島県熊野町
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn03052001.html
遺伝子疫学研究推進には国民の理解が不可欠
http://www.jmapress.net/news.php?no=406

前回、さくっとカキコしたダイエットもそうなんだけど、そいぢゃあ、いったい「健康」とか「健全」とかの状態ってナンだ?ってことになる。が、しかし、ンナ定義は個々で異る筈。統一定義なんか作りようもない。逆にいうと数ある「ダイエット」目安なんか、そうした個々の状態を取っ払い、むりやり全体均一でならした数値でしかない。それをどう解釈するかは個々の判断にゆだねられることであって、それに縛られるのは大変危険ですらある。が、しかし、ひとは得てして「全体」とか「標準」といったマスなものいいに弱い。
個人情報というと、住基ネットやe-Japan戦略IIの「高度情報通信ネットワーク社会」とやら、RFID利用における社会的規範の形成等が、おもに中心課題となっているんだけど、もっと広範囲にいろいろなものがデータベース化されようとしている。無論、それは大規模収集に拠るメリットに夢を託すモンで、その大規模収集こそが唯一無二の前提条件ともされている、が、しかし。
医療でのこの手の動き、肉体のIDタグ、すなわち「遺伝子」の治療であるが、では、実際にこのメリットを受けられるマスは、マスとして果して存在しうるか?むしろマスを切り捨てた特殊高額医療へのエリア拡大の為にマスを利用しようとしてるのではないか。生き延びるための医療から「再生医療」「オーダーメイド医療」といったニーズに、医療自身もソレに積極的に応えようとしている大きな質の転換があるのではないか。その様な「積極的」医療が声高に夢をもって語られる一方、入院後3ヶ月すぎて「積極的」治療の必要のない多くのマスな病人は、公的健康保険点数が稼げないという病院経営的問題で、退院/転院を催促させられる始末。
長らく、学術の場では、それが「学術」という衣をまとっているそれだけの為に、学術貢献が営々となされて来ており、その中にドップリつかっている者は、そうすることがアタリ前のごとく、空気のように様々な事例を自分たちで医療情報を一手に搾取しまくってきた。当事者である患者本人を無視して。患者は症例そのものにすぎない。
まさに一握りの欲望の為に大多数のデータベースが奉仕する現場でもあるな。遺伝子も又、その延長線上にある。「健康という欲望」は果してドコまでつきすすんでいいのか?
黄門の印篭のごとく色々な美辞麗句=悪魔のささやきが世の中には、大手をふって跋扈してるんだけど、「健康」という言葉に思考判断停止する恐ろしさを、よくよく見越しとかなきゃ、ネ。ことに自らの生死がかかってるとなれば、つ、つい、そうした権威にいとも簡単におすがりして数珠つなぎされてしまうことになりかねないよな〜。そう考えると、「国民の健康」とやらにとっては、医療が独占単一権威組織な「医者のサジ加減ひとつ」ってメタクソ、デメリットなんぢゃねーの。