ウヨサヨ論争

このネットでの祭りを、体制(政治家/NHK)vs 反体制(女性国際戦犯法廷/朝日)というウヨサヨ論争に短縮的に片付けよう賭する向きがある。
自らの依って立つイデオロギーを盾として、それに刃向かう者は押し並べて反対のイデオロギー陣営のものである。そういう思想システムに乗っかって「ネット右翼」そんな見方しか出来ないから、尚更、反動の火がつくのである。
右翼も左翼も、自分たち以外(制度外の第三者)という存在を喪失している。そして喪失しつづけてるが故に、なんとかしようとして居丈高になり、更なるお手付きを重ねて、パンピー(=イデオロギー的正義思想を持たない者=ウヨサヨ制度外の第三者)の支持を減らす。それなのに、それを反対イデオロギーの所為(策略)にして、目を耳を塞いで、自らのイデオロギーに篭城する。ま、ひきこもるのか、たてこもるのかは、勝手だけどね。自己正統化の為になんで他者を引きずり回そうとするよ?
そんなイデオロギー合戦で、今回消費され踏みつぶされたのは「女性国際戦犯法廷」で取上げられた、「慰安婦」に他ならない。NHK vs 朝日となった時点で、「女性国際戦犯法廷」なんかどーでもいーのである。こんな時にこそ、フェミニズムは怒るべきぢゃあないのか?特にサヨの皆様、「ネオリベ*1だの「ネット右翼」などという空想集団づくり=レッテル貼なんかにやっきになっとらんで、その「道義的責任」*2という文学的抽象的な言葉ばかり羅列しとらんと、それに似合う現実的な落とし込み=具体的政策提言を何故しないよ?
いったい、何回彼女達は、ワキの甘い連中の自己正統化の為ダケに、晒し者にされ体よく「使われ」て「見捨てられる」のであろうかねぇ。

女性国際戦犯法廷 認定の概要
http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/womens_tribunal_2000/judgement001212.html


追補
「匿名」批判というのはネットに対する批判としてよく聞かれるのであるが、それでは、固有名を出した言説が信用おけるというのの、その「信用」とやらは、ドコから来ているのであろうか。名門の出だから?有名人だから?大会社の社員だから?メジャーな組織に属しているから?有名大学に在籍してるからいいのか?国家資格認定されたカタガキがあるから?…発話された中身ではなく、その背景の出自や所属こそが重要視というなら、それは階級意識、いや、選民思想そのものではないか。それのドコが「公平」なんだ?
個人の資質を問うたり、バカよばわり=人格攻撃したり、「ウヨ」「サヨ」等のレッテル貼りが有効な批判であると想ってる言説については、id:hizzz:20040602に。

*1:右翼認定出来ない左翼以外で、左翼上下構造(問題提起=救済者と当事者=弱者)に配列出来ない者、左翼シンパでない者は、これにカテゴライスされ批難排除されるようだ

*2:思想信条の自由を掲げるデモクラシーを礎とする法体系は、結果としての行為責任を問うことは出来ても、いかなる「道義的責任」にもタッチしないのが大原則である。なぜなら、道義的とは、思想信条に値するものであるからだ。だから、この問題は「法」では解決しない。id:hizzz:20040424#p4