レゲエ

id:Ririkaさんとこでのコメント「ジャマイカではレゲエは上位文化」というのに「何だか常識的に考えると腑に落ちない」とカンタン系さん。だもんで、ちょいと、知ったかしてみる。
はてなの「レゲエ」キーワードは、結構おおざっぱな解説。「ラスタファリズム」ってキーワードにもなってないのねん。
当初は「レガエ」っていってたレゲエは単なる音楽ジャンルぢゃあない。「ラスタファリズム」というカルトがその根底にある。これは反キリスト教として「いまに黒人が王となり、解放される」としエチオピア皇帝ハイレ・セラシエを崇拝するアフリカ伝統回帰宗教カルトが20世紀の初め形づくられたもの。http://www2.u-netsurf.ne.jp/~letsrock/What_Rasta.html
レゲエの持ち味のシンコペーションは、ラスタ集会で使われる「ナイヤビンギ」と言われるビートが元である。英国人との混血児であるボブ・マーリーは、自己アイデンティティに悩み、ラスタファリズムに救いを求め、レゲエスタイルがつくられたとか。
1977年にハイレ・セラシエの生まれ変わりが黒人を救済するという風なラスタの予言にのり、ボブ・マーリー自身がカリスマ化する。まさに77年に出た「Exodus」がウエイラーズの頂点であり、その後レゲエに於けるラスタ比重は、ロック&ポップスの1ジャンルとして世界中に広まるにつれて徐々に後退する。
ジャマイカで米国は労働党(野党)に肩入れしていて、キューバ拠りの人民党とガチンコ状態。ジャマイカのみならず米英で有名になり政治影響力を強めたボブ自身、そんな政情に介入し、CIAに何度か狙われることになる。81年に亡くなった時も、CIA陰謀説が結構飛び交った。
さて、「レゲエは上位文化」とカキコしたのは、上記のラスタ宗教音楽というルーツと、80年以降レゲエは、急速に欧米ポップミュージックを融合し、「ワールド・ミュージック」ブームをコテに欧米社会にマーケティングされ、米英ポップス/ダンス・ミュージック化したからである。
カンタン系さんが指摘なされてる通り、ラジオ電波から伝搬したR&Bと裏打ちカリブ音楽が混合した「スカ」が、ロック・ステディーを経てレゲエへと進化。しかし貧富の差が大きいジャマイカでは、エレキギターによるロックバンドセットや、レコードは高価。そこでチープに海賊版行為として始めたカラオケを使ったダンス・ミュージックとしての「ダブ・ミックス」後のDJ皿回し/サウンドシステムが、下位文化ではないかと。ロックステディの頃からやられてたみたいだが、レゲエが全世界的にヒットした後、ジャマイカに「音源」を求めに来た欧米連中によって「発掘/商品化」され、80年代欧米ロックシーンに衝撃を与えた。
まさに、ドコまでいってもカルスタ&ポスコロのネタの宝庫。
上記についてのリファーを頂いたので、id:hizzz:20040626で追記。