オニババ本

やきにくミーティング(笑)での課題図書。『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』。ざくっと読み。Amazonのカスタマーレビュー、118人もカキコしてるってことにまずびっくり。星2ヶ半。評価としては、まーそんなモンか。
ネットでもさんざん語られてるように、女は〈女性〉性を結婚&セックス&出産を通して謳歌?すべきつー子宮主義な趣旨。それ以外の人生はオニババというキャッチーなセールスコピーで人目についたってことで、内容的に目新しいのは、それに昔の女性は経血をコントロールできたと主張してるトコぐらいか。
その経血コントロールだが、これは三砂自身が昔は10人位出産するのは普通だったと書いてボロだしてる通り、それではコントロール以前の問題で、そもそも(食料事情も合わせて)生理自体そんなにキチンと毎月ある方がすくなかったということが真相なんぢゃあないのかな。
膣のしまり=骨盤底筋を鍛えるとかいう道具は昔からあるな。子宮主義でも男根主義でも快楽主義でも、まー、がんばってください。結局はソレ、個人のセックス・コンシャスなんで。この本は、それで終了。
田中美津が『論座』05.2月号でこれを「徹底批判」だそーだが、これがまたヌルいシゴト。「45歳で再就職する困難が彼女にはわからない。」と書いときながら、ハイソのエリート中のエリート「津田梅子もオニババなの?」というオチなんですと。そういう批判なんだかなぁ。。。
まー、〈女性〉ってトコにプライオリティを置きアイデンティティしているのは、著者三砂も田中も同じ穴のムジナだから、「オニババ」と言われて〈女性〉性を否定された程度で、生まない女性の人生を必死にフォローするのみで、それ以外=〈女性〉〈男性〉というアイデンティファイしない人間の性について想像もできなければ言及できんのだろうな。
とどめとして?田中は、編集者が「若い女性」ってことで「ほんとにこんな本を作りたかったの?」とケチつけてる。編集者であるよりも女性なら第一に〈女性〉たれっていってるので、これは三砂と同じ視点でしかない。ダメポ。