フェミとの齟齬

「風俗としてのオタ女」ネタは止まらない。それはなにも男性購買層雑誌だけではない。女性ターゲットのコスメ雑誌『VoCE』の執事喫茶の隠し取り&その顧客に対する侮蔑記事http://www.geocities.jp/voce_peep/、さらなる「燃料」にまみれる、やおい腐女子。最初にカキコしたとおり、この一連、どー見てもジェンダー問題そのもの、女学生〜リブ〜フェミ〜クィアな変遷をすごい勢いでなぞってるレスだなーと見てた。昔ワタクシもカキコしたが、ジェンダーネタの総本山フェミニズムと、やおい腐女子性自認な同人(生産型真性オタク)と、「〈モテ〉のための〈ツール〉」*1としてオタク(自己承認系サブカルライトオタク)とでは、いまいちソリが悪い。それはスタイルとアイテンティティの関係でドコに重きをおくかの違い、これにつきるのではないか。

好奇心の虜になった女に女と呼ばれる必要性がないんすよ。名乗っちゃ駄目とは言わないけど、邪魔になるだけだから捨てるね、私は。

rbyawa あ、そーかそーか。>文化系女子
http://d.hatena.ne.jp/rbyawa/20060518/1147926199

フェミニストの実態はさておきありがちな「女たちの連帯」とサブカル「モテ/非モテ」では、正反対な主張をまとっていても社会/世間をおしつけるというスタイルが同じであるから生産型真性オタクはムッとする。サブカルはフェミの重たいアイデンティティも生産型真性オタクの矜持ぶりも、おしゃれでスタイリッシュに思えない。「アンタの自明とする「女」とは、アタシは違うんだけど」ということだろう。せめてココロの中ダケでも隷属しないこと、それを矜持としたりスタイルとした者*2にとってはウザいことこのうえないであろう。無論、そうしたココロと世間と社会に引き裂かれ続ける〈個〉の分離不安ということを痛切に実感している筈のフェミニズムなんだけど、アイデンティティとライフスタイル(と趣味)とそこに連なる世間/社会、そこで立ちすくんで学問権威内に籠って現実から遠のくフェミな人が多いように見受けられるのは、とても残念。


※補足
コメント頂いた(rbyawaさん色々ありがとう)中で、どーしてフェミとの関係を取りざたされなければならないのか?っていうこと自体に対する疑問があるのかと思うので、補足。
id:hizzz:20040109で書いてるとおり、そもそもサブ・カルチャーというのは当時の体制文化(西洋文明)へのカウンター・カルチャー=リベラル思想であり、DIYはそれをうけてラヴ&ピースに自活しようというフラワー・ムーブメントの実践から来ている。やおいが生まれるベースとなった70年代少女マンガは、学生運動のカウンターとしてのリブの影響を多大に受けている。今でも読まれている花の24年組とは、全共闘世代でもある。その背景をヌカしては作品は成立しない。>id:hizzz:20040220 連合赤軍永田洋子が獄中で少女マンガ風味な乙女ちっくイラストを好んで書いていたというのは有名である。このように、やおいを含む少女マンガに傾倒したおたく第一世代は、性別関係なくリブ&フェミ(リベラル)への親和性はとても強かったのである。

*1:この場合の〈モテ〉とは、異性モテということではなく広く「関係性の連帯」を至上とすること。

*2:ピュアや傷付いたアタシなメンヘル系を含む