炸裂する趣味の消費生活

前回60年代オタク話で書いた通り、現在の貧乏は昔の「食うや食わず」貧乏とはまったく違う。赤木さんのブログでかいまみる3〜4年遅れゲームハード機購入暦を「貧困」とする上の世代は少ないのではないだろうか。しかし、当人は新製品を横並びで買い替え続けられないそゆ状態を、「情けない」とさえも認識してしまっている。これも、「良識」派な方々とハナシが噛み合ない一因でもあろう。自分が意識した瞬間からセカイは始まる者にとっては、その始まったセカイこそが全てであり、その前時代の「赤貧」や「戦時中」のことなんか知ったところで、今のセカイで植え付けられてしまった喪失価値感「格差」は変わらないのに、なおも過去世代のツケ「重荷」を背負わされるような目に合いたくないのだ。
通常、収入に対して収出が低く押さえて収入に見合った生活が営んでいければ、何も問題はない。ところが、昨今は最初に「人並み」=横並びありきを基準にしている人が多い。収入も横並びなら問題ないのだが、そうではないから経済問題が起きる。
WEBアクロス編集室『トーキョー・リアルライフ 42人の消費生活』という本がある。これは01〜02年の東京近郊の様々なライフスタイルをとる15〜37歳の1ヶ月の消費行動を記録したもの。ところが、なんと、わずか11人だけが黒字収支で、あとは赤字のオンパレード!になっているという体たらく。WEBアクロス上では、全国の2ヶ月分収支付消費生活が掲載中。現在184人。
Across消費生活
http://www.web-across.com/lifestyle/index.html
その中でも、酔い過しの金は持たない主義なのか打出の小槌を持ってるのか遺産がころがりこんでくるのか宝くじがあたったのか草むらで札束を見つけたのか、はたまたムジン君とお友達なのか不明ながらも、正/非正規雇用関係なく月の偏りなく大体1/3程度赤字収支!その中から、収入21万程の20代半ば正社員独り暮らし(家賃約6.7万)赤字を抽出してみると、エンゲル係数は外食費をいれても10%程で、「趣味・遊興費」「ファッション費」がそれを上回る「文化的」消費生活がぶりばり展開。うはぁ〜。中には自分で経済観念ないかも的感想をつづっている人がちらほらいるにはいるんだけど、、、アクロスはそゆがま口がフラワ〜な人が大好きなのであろう。
それの2番煎じ『トーキョー・フリータースタイル 東京に暮らす49人の「時間」と「お金」 マーブルブックス』は、03年に西東京中心の20代フリーター1ヶ月収支調査。中卒/高校中退は1名づつ、大学中退も4名しかいなくて、後は専門学校/短大/大学卒と、フリーターにしては学歴が高い。平均時給は1000円、月収入17万弱、支出14.5万強。中に赤字収支の者も11名いる*1が、差額3万以内で、いずれも実家住まいだったり恋人等と同居だったりするバックアップがありそうな境遇で、アクロス調査のようなベラボーな使いっぷりとは対象的。また、貯金は31人が、借金は11人がしている。さすがにエンゲル係数は16%弱と高くなるが、それよりもなお「遊興費」の占める割合が住居費に続いて高い。
金が欲しいなら四の五のいわずに稼ぎに行って、破綻しないかぎりはナニに使おうとも個人の勝手だとは思うんだが、為にする消費のようなお金の使い方を続けているのなら、そりゃあ、だんだんすり減って「貧乏」にもなるよなぁ。金と時間=人生は有限なのだ。
「日本社会で起業するため本当に必要な9つのモノ」という記事が書かれていたが、稼ぐにはまずお金の使い方を知らなければならない。お金を使うには「足し算と引き算ができるか」にかかっている。算数なんか誰だって出来るじゃんとうそぶく中にも様々なコストを想定した具体的足し引きの出来ない者は、学歴に関係なくビジネス現場にも結構いるのが、現状だったりもする。

*1:200万も借金がある鬱持ち28歳アダルトHP製作月収18万は、破綻きわまりないのだが、インタビューの呼応も日記も短く、詳細不明。