ネカフェ難民対策

最近ワタクシ、家にたどりつけなくてネカフェのリクライニングシートの上でビールで腰痛を癒したりしてることがままあるんですが、そゆんぢゃなくて…

東京都は25日、定まった住居がなくインターネットカフェなどに寝泊まりしている「ネットカフェ難民」が自立できるようにするため、独自の就労や住居の支援策を2008年度に講じる方針を決めた。関係業界と連携し、都が相談窓口を設けて利用者の生活実態や困りごとを聞き、個人の状況に応じた援助をする方向。ハローワークと連携した就労支援や、家主協会などと協力して低家賃の住居をあっせんすることも検討している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070925-00000205-jij-pol

だ、そーだ。
ネカフェ難民とは指定しなかったけど、都知事は選挙前に低所得者対策をすると公約したんだが、結局、なんもしないままなんだよな。
しかし、なんで2008年度=来年4月以降なんだ?予算の関係かな。「関係業界の連携」に時間がかかるお役所仕事かな。来年春迄、ネカフェ暮らしせいというのか。
しかし、わざわさ「相談口」なんぞ設けなくても、既存の窓口(福祉課、ホームレス支援策)でいますぐできるじゃん。「相談口」で待ってるダケじゃなくって、ネカフェやレントハウスにコピービラ置いてもらればいいことだしね。連鎖的にワリを食って住居を無くしてしまうひとは、得てして有効情報が届かないところにいるひとたちなのだから。

(ネカフェ・オールナイト利用者の)住居喪失者を35歳前後で区分して集計してみると、東京では、「若年層(35歳未満)」(36.1%)よりも「中高年層(35歳以上)」(63.8%)のほうが多い。

日雇い派遣労働者の実態に関する調査及び住居喪失不安定就労者の実態に関する調査 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/08/h0828-1.html

話題にものぼらないのであるが、ネカフェが簡易宿泊所になる前に、「サウナ」がそれを担い、その安価版として「健康ランド」が24時間営業で00年前後には業績を伸ばしたんだけど、で、そういう施設を回遊する「難民」=治安悪化ということで、消防法などの許認可をもってして行政はその行く先を阻んだことと、施設の老朽化(&地価上昇)ということもあって、ネカフェやレントハウスの増加と反比例して次々と閉鎖されてる(+「喫茶店」衰退とファーストフード&漫喫の台頭という業態の変化)。「ネカフェ難民」なんて、いかにも新しい若者の種族のように、目新しい表層だけ取り上げてさわいでいるが、この間の厚労省調査ではネカフェ利用者はPCを使わない50代にも山があったように、その底辺はこうした分厚い低所得浮遊層が常にあることを忘れてはならないと考える。
こうした行政調査がなんで35歳で区切るのかといえば、それは年金制度との関係だからだろう。公的年金は最低25年支払わないと需給資格がないのである。60歳定年でそれ迄に需給資格をクリアできうるそのぎりぎりのタイムリミットが、35歳だからである。25年というのは、他国制度と比べても、ちと長すぎる。

本来、公的年金がきちんと整備されていれば、高齢者の生活保障を生活保護が担う必要はなかったはずである。しかしながら、多くの高齢者が、公的年金というセーフティーネットから滑り落ち、生活保護に頼っているということから、やはり公的年金制度には大きな問題があるといわざるを得ない。未納・未加入問題が深刻化している中、公的年金制度に関する抜本的な改革を行わない限り、今後生活保護にかかる高齢者が一層増えることになるであろう。

生活保護率の上昇と労働市場、人口構造の変化要因 労働政策研究・研修機構
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2007/documetns/07-05.pdf

民間給与実態統計調査 国税庁
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2006/minkan.htm

社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)結果の概況 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/06/index.html