すったもんだした、メジャーな商業映画事例

●1967年『私は好奇心の強い女』ヴィルゴット・シューマン監督、スウェーデン
作品制作を通した監督とのコミュニケーションと状景描写による女優の心象風景。ノルウェーフィンランド、フランス、ドイツで次々に上映禁止となり、アメリカではノーマン・メイラーなど「表現の自由」論争となり、裁判で養護派が勝利したポルノ解禁の先駆的作品。
●1976年愛のコリーダ大島渚監督、日・仏
藤竜也松田英子出演。阿部定事件を基にした「ハードコア」。性行為描写で上映禁止。カットして上映。「ポルノ」か「芸術」かで論争となった。
●1985年『Mishima: A Life In Four Chapters』ポール・シュレーダー監督、日・米
コッポラ&ルーカスが出資で、緒形拳坂東八十助沢田研二、永島敏行等が出演し、防衛庁の協力の許あの市ヶ谷事件も撮影された三島由紀夫の伝記。カンヌ映画祭最優秀芸術貢献賞受賞作品。だが、未だ日本国内劇場公開及びビデオ&DVDの発売もされていない。版権者である遺族(三島夫人)の意向。あと三島自身が監督主演した『憂国』も死後上映不許可となってたが、去年解禁されDVDが出た。
●1993年ライジング・サン』フィリップ・カウフマン監督、米
マイケル・クライトン原作でショーン・コネリー主演、音楽は武満徹の日米貿易摩擦を背景とした殺人サスペンス映画。全米公開時には差別的だとして日系人団体から上映反対の抗議運動がおこった。
●2000年『ベーゼ・モア』ヴィルジニー・デパント原作&監督、仏
女2人組で出会う相手とセックスや強奪しては殺していくロードムービー。一旦は上映されたが、激しい非難を浴びてすぐに上映禁止。ゴダールソニア・リキエルといった著名人の上映禁止運動は、EU諸国にも拡大。
●2005年SAYURIロブ・マーシャル監督、米
アーサー・ゴールデン原作、スピルバーグ総指揮、チャン・ツィイー主演、芸者が主人公の大河ドラマ。当初、日本人スタッフで京都で撮影されていたが、脚本&演出に対して祇園甲部が激怒、祇園甲部に付いた京都側が拒絶となった為日本総退陣となり1回ご破算となった後、ハリウッドで制作しなおされたもの。中国人主演の芸者が従軍慰安婦問題を連想させる反日感情悪化を懸念して、中国では上映禁止。
●2006年ダ・ヴィンチ・コードロン・ハワード監督、米
ダン・ブラウン原作、トム・ハンクス主演。キリスト教密教儀式をめぐるミステリー・サスペンス。ローマ教会が反発。インド、中国、エジプト、イエスをキリストとして認めないイスラム教国パキスタン等が上映禁止。韓国でも上映禁止申請がだされたが、却下。