教育コストの負担

私学助成、23年ぶり減額・07年度予算
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061219AT1G1803H18122006.html
道徳しつけは公立、学問したければ自費私学。学能底辺層に配分するのはモラトリアム助長して非効率、と。>骨太方針

国立大学と私立大学の授業料等の推移
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/011201f/1101f3_12.htm

学暦に比例しない学力

と、ゆーわけで、私学と進学校公立が懇切丁寧に受験指導カリキュラムに勤しんだところ…、
「ゆとり」原因 学力不足深刻 大学の2割で補習
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612180150.html
そんな生徒を、試験選別の末に受け入れトコロテンのように学卒認定して社会に排出してるのは、全て大学運営の都合ぢゃん?
少子化なんか今に始まった訳でもなし、そもそも学問しない者にも、数年で陳腐化する中途半端な学科創設して学籍をあたえるニッチ傾向と、学問以外の付帯設備にフンダンに金を注ぎ込んで「格上」を狙った拡大一途なバブル経営のツケだろう。例えば、働きながら勉強してる筈の大学夜間部は、意義どおりシゴトと両立してる生徒よりも学生専業な場合が殆どで、大学と短大が併設してある所のように大学ブランドのセカンドバージョン化しており、次々と統合廃止されている。
不可逆的な少子化という狭いパイの中でのシュア拡大でなく、学問を追求する場所であろうとするならば、入試を厳格にするか、単位認定を厳格にしてシェイプすれば済むハナシだろう。後、学生という若者特権階層の囲い込みをするのではなく、単位制を強化して何年もかかって履修できる生涯学習システムになれば、社会的にも開かれるであろう。それが出来ない組織ならば、いくらむずかしいことをいっても、社会からはそれ並の教育能力だと評価され続けるだけだろう。

学問よりも学校暦

必修漏れ、多い肯定意見 大阪の大学生68人アンケート
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612190355.html
んで、学生の意識といったら、、、ははは。正直といえば正直だけどね。
学生は、教育基本法改正も含めて権利当事者、主体な筈なのに、これに関しての学生運動が起こったというハナシは、何故か、一向に聞こえてこない。結局は、自分達が卑しめられてるってことに、気がつかないのか。やりすごせれば、ナンでもいーのか。
学生寮とか学生会館とか他者交流とか場所インフラまわりには小競り合いやデモする程にアレコレ熱心なのに、肝心要の教育理念と学問内容については、スルー?「68年革命」とやらは、「学校解体」とゆーより、「学問解体」ってことで、学校権威を被った「居場所」闘争文学だったということかな。
学校はサッサと学卒認定ダケよこせ学能イラナイと、もうとうに教育されてきちゃってるってことの既成事実が、このほど公的に追認されたということでしか。そーでしか。。。

活きていく為の教育

もひとつ、学生の素直な意識。
ニートやフリーター「自分がなるかも」 東大生3割不安
http://www.asahi.com/life/update/1218/005.html
当然といえば、当然。懇切丁寧な受験指導しか身についていない=能力特化してるのならば、そりゃそーだ。生活はテストや空想シュミレーションぢゃなくって実務なのだが、「仮想」の学生というモラトリアム特権身分である状態が常態として自己アイデンティファイしてしまうと実務生活の社会が遠くなること*1と、東大自身の肥大化と情報化社会の流動化でその栄光と権威が目減りしたということがあるだろう。
で、受験対策に振り替えてしまった「総合学習」ってのが、ほんとはソレを補うハズの時間だったのではないか?
総合的な学習の時間
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm
生かされる為の「態度」とか「道徳」とか「愛国心」なんかより、活きていく為の能力こそが、社会で必要な能力であり、ひいてはそれがシゴト能力に繋がる。
ところがさー、こうした生活知識は受験知識はもとより学問知識よりも「下賤」なもので、士農工商、学校/学問は世間よりも格別であるべし的なアカデミズム権威主義者が教育関係者に多いから鼻先で軽視。したから、法や社会の仕組みや理念とその由来なんかは知ってても、その仕組みを自分で有用に動かす方法が判らない、と。結局、高等遊民出来るインフラない者が、実務不安になるんだよね。。。
ニートやフリーターになっても、どう対処して生きていけばいいか判っていれば、それは別に不安でもなんでもない。どうすれば、不利にならないか。もし、なにか不利な状態に堕ちいったら、どこにどのようなサポートがあって、どのようにそのサポートが受けられるのか。金銭賃借(含クレジット)や賃貸や雇用等の契約交渉と紛争処理方法。差別傷害等の人権侵害とその回避/回復方法。障害や貧困に対するサポート活動など。具体的には、最低いくらあれば生活を廻して行けるのか、具体的にプランを立てて帳面つけて、評価しあうとか。ワタミ社長のいう「身だしなみとかゴミの始末とか机を並べる」作業より、よっぽど活きる知恵がつくというもの。id:hizzz:20061214#p2

*1:これに関連して内田樹が例によって例のごとくなコトを書いているが、>http://blog.tatsuru.com/2006/12/19_1116.php 彼の設定でいうならば、「学問/シゴトの達成」よりも「学問/シゴトをする自分」にばかり興味がある者といったところか。