怨み節

キルビルがブームだ。中でも挿入歌として使われた梶芽衣子の再評価?が高い。あそこでつかわれている70年代初頭の仁侠モノが「カッコイイ!」ということで。リアルに70年代をすごした者としては、単純に「カッコイイ!」といえないなんともいえないニガミを感じる。60年代の仁侠ものが「義理と人情の板挟み」モンだったのが、70年代には「仁義ナキ戦い」に変わる。復讐や怨念がその「戦い」の全てなのである。んなガチンコに疲れた人々は『同棲時代』ISBN:4575720119ージックといった追憶な方向に「退却」を始める。(同棲時代は、美大いってたイラストレーターの卵が主人公)そういえば、評価基準が「カッコイイorダサイ」になっていったのも、80年代からなんではないかな?
勿論タランティーノは単純に様式美としての仁侠映画を賛美してるんだけど、そうした時代の重さ=リアルをすべてとっぱらったところでの国内でのブーム「エキゾチック・ジャパン」というのは、(誰のナニによってなのか)都合よく編集された記憶をチョイスして、それで自分達のルーツの把握に失敗してしまうのでないかと杞憂してしまう。それはそのまま、高1のショボイ様式美と同質だからだ。過去を都合よく編集してしまうツケが、「退却」先の無い未来=子供にいってしまってるんじゃないかと考えるからだ。