生死の魅力

甲斐大策『餃子ロード』ISBN:4883440346「ひと、おしなべて救いなし…」と、コーランにはカキコしてあるそうだ。
事象はいつも瞬間で特別で、それが次々に生まれては消えていく。それを人は、文化だのイデオロギーだのといった配列を整えた語りによって、幾度も再現できる定型話として落としドコロを作る。
絶対的真実を求める欲望はワタクシにだってあるけど、事象の彼方に思想や神を見ようと、手前に主観を置こうと、それによって個別の出来事がどんどんと消されてしまうことには、違いはない。だからいつも事象からは遠ざかって、結果的には傍観的安心感を手にいれてたりするんだよな。
でも、ともすれば自分がどうにかしなければ生きるか死ぬかみたくなる当事者状態は、もうその状況に突入するダケで、ものすごい興奮と熱狂にひたれるものでもある。プレッシャーとかマキ入るからこそ、必死で活路を見いだせたりもするんだけど、まあ、しかし、そんな渇望の過剰感を抱えた人ばかりだと、平穏とはほど遠い。ある種の存在証明をかければかける程に。しかし、それが制度(想定)外の他者=第三者ってことなんだけど。そして、ホントに民主主義っていうならば、常に制度想定外の他者ってトコに門を開いているかどうかってことを、問われるってことでもある。過去のさまざまな「事変」だって、そゆちょっとした先走りから発生したモンだからなー。しかし、そのエントロピーを押さえる叡知ってモンを慣性で思考停止してゴマかしてしまってはいけないだろう。


誰が悪いジャッジ論争はワタクシにとってはあまりにも意味がない。むしろそーなっちゃった「我々」ちう考察は、まずもって必要だよな。「見たいものしか見てなかった」為に、「見たいものを見ようとした」餌食となった弱者を必要とし作りだした歴史は繰り返す、ということを何度もあらゆる角度から考えて試行錯誤していきたいっす。