自家中毒

個人を罵倒する常套手段として、「資質を問う」というのともうひとつ「思想信条を問う」というのがある。で、匿名という安全地帯から、アカだのカルトだのと揶揄すことが中傷批判としてハヤリとなっている。お高尚な論説をぶん回すインテリげんちゃんズも、また、学説という高所の安全地帯から、理念だのと立場性(枠)とやらの思想信条を問い抽象批判することを常道としている。そして、2ch.からお高尚な論説から自由自在と自称する人々は、批判の成立の為には手段を選ばす、便所な罵倒語も学説異説妄想も自分の思い付くモンなんでも使うのがハヤリとなっている。

大体、政治宗教思想信条なんてのは、ヲ・ト・ナ常識ではプライバシーの領域であって、それで区別差別されるなんてことが実生活で起こったら、それこそ大変な人権問題なんでは。「思想信条の自由」というのが昨今での広く共通の基本理念だと思ってたんだけどね。
何故かそうしたことを踏まえてるハズのインテリげんちゃんズも、ネタ元の個人なんか実はどーでもよくって、無責任な個人のレッテル張り=レッテル批判=批判の成立=批判対象者の排除=自己立場性の誇示=自説存在証明=自己のシゴト…と、錦の御旗を盾にして非常識に傲慢になりやすい。そんな威力を目の前にすると、ついそうした権威を借用し知識ぶりっこして、その影に隠れて自分のうっ積した不快(ルサンチマン)を解消し自己満足したくなる魅力にそれは満ちている。
「体制」「反動」「営利」「プロ市民」「ネオリベ」「ウヨ」「サヨ」「朝鮮」…
ある立場をさす言葉これが思想的偏見差別語として通用するということ自体の可笑しさは、例えば、左翼であることをPC(ポリティカル・コレクト)している人に向かって批判を込めて「サヨ!」といってみたところでなんら有効打ではなく、むしろその人の左翼的存在意義を自説成立の為に、わざわざ承認認定表現してる補完構造になる、強弱による非調和的二者関係に発話者自身が隷属してしまうのにもかかわらず、それに無自覚ということからくる。だって、いくらそういったところで左翼プライオリティな対象者当人にとっちゃあ「だからどーした?」ってなもんで。実は、そういう戦略が最も有効なのは、「○○であることはイケナイことである」という説を「正論」として同調せざるを得ない立場か「(世間の)誰にも批判されたくない」かしている制度内の人々であり、いじめ/バッシングのえじきとなる。そして、哀しいことにそうした〈個〉が立脚出来ない立場であるゆえに、いじめ/バッシングの加害〜被害を避ける為にPCの強力な権威を必要とするひとだったりもする。
最近のイラク人質バッシングでも反政府&共産主義者であると明確に主張している人にはその矛先は向けられず、むしろ制度外の他者=論外(ハナシにならない)として便所の落書きと同質な存在そのものの排除とかなのは、これはハタから見てていつも本当に可笑しい。
前提議論にとどまって「内向き=仲間内の言語」でしかない「複数形の〈私〉」でループしてるがゆえの、着地ナキ総崩れな意味(理念)の量産=無意味。その中でのより強固より正義より正統、少年ジャンプ的イズムのインフレが、全体のデフレを起こす。いったい元々は、ナニをしたかったのかな、ナニもしたくない為にそこにとどまっているのかいな。あとは、ホント、意味の「強さ」しか残ってない膨大な不毛地帯の山。その意味の強さを強化する為に感情(共感/反感)が総動員される。
なんにしても、その常道とやらは、限定された局所で同好の志とやらで密度上げて勝手にやってくれてる分には、パンピ〜に迷惑がふりかからなくていいんだけどね。こまった事には、その人格攻撃だか妄想だかの批判の成立の中に「世界のシミツ」とやらを確信し教条だか啓蒙だか知んないけど、統一理論に拠る極限支配の野望による布教伝導が自らのシゴトと息巻き、パンピ〜が生息するエリアに侵攻し、言説に拠る暴力をまき散らす。その行為を「荒し」ともネットではいう。
そうした前提論/手続き論に終始して日常から浮きまくってる言説マニア達は、自分の思考論法を盲信してるが故に世界の他者のとらえ方が堅く、類型的把握に収斂させてしまい、それ以外の生き方をしている人々が多々成立しているという事実がもう解らず、なにに接しても常に先に解答が用意されているという自らのそうした決め付け/思い込みによって用意されてる解答にそぐわないものは全て排除され判断材料とはならず、結局、事象を判断する為に多数解へ可能性を閉ざし、いつもワンパターンに帰結する。そんな特異な言語体系による他者への言語統制は、言葉の暴力となる。〈パーコ麺〉id:hizzz:20040328
そういう自らの常態の特異さを自覚しないで他者に事象にそれを押し付けようとする様には、なにをどうお高尚で高邁な言葉をぶんまわしていてても、まいっちんぐぅ〜、つくづく首をかしげざるをえないのさー。