国語の変遷

んぢゃあ、今の「正しい」日本語表記の基準っていったいナニ?って考えたりする。これは前にカキコした(句読点の表記法)んだけど、その「正しい日本語表記」とやらを編纂?するところの役所の表記も随分とあっちこっちにユレまくっている。ワタクシもユルいけど、お役所も随分なんである。なんだかな〜。ま、役所がカタカナなどの独特の「お役人言葉」を駆使して下々をケムにまこうとするのは、今に始まったハナシではないか。
表記の歴史的変遷については、ブックデザイナー祖父江慎『季刊d/SIGN (No.8)』で、漱石坊っちゃん』100年の本文組版の比較大研究が、とても興味深い。なにしろ、題名ひとつとってみても「んやちっ坊」→「んやちつ坊」→「坊つちやん」→「坊っちゃん」と変化。単に、旧かな→新かなの変更だけだとぼんやりおもってるとそうでもない。なおかつ、PC入力してみれば解るとおり「ぼっちゃん」の送りは「坊ちゃん」が、国語(教育表記)としては正しい表記なんだから。題名からオモイキリつまずく1万円文豪。あー大変だ!しょーがないので子供向けはひらがな表記だ。 あはははは。鴎外の「鴎」の字の正字体がナイって、JIS漢字に延々文句つけてる バヤイ*1ぢゃあないぞ>日本文藝協会*2
祖父江はついでに、促音や約物(カッコ、句読点、…、等)の扱いのばらつきも収集している。ただ、本文組(縦)にかぎってのことであるし、これに横組が加わるともっと表記のユレは拡大するのであった。もちろん、んなハチャメチャな日本語表記に喝?をいれるべく、欧文組版のオックスフォードルールやシカゴルール並の厳格さを追求&実践した府川充男『組版原論―タイポグラフィと活字・写植・DTP』なんて本も過去に出版された。 安価だけをもとめたDTPが普及がするにつれてシロウトのデタラメぶりに憤慨した組版側の義憤がちりばめられた内容&記述(大苦笑)である。その気持ち/矜持はよ〜く理解できるが、それで読みやすい(慣れ)かどーかは、また、別の問題であるし、提唱された組版方法は、あまりにも厳格すぎて(だから「原論」なんだろうけど)府川自身が手掛ける書物以外ないのではないかな。
EU公文書ルール”に見る多様性と統一
http://www.ne.jp/asahi/yabe/masafumi/a_batons_rompus/a020520.html

*1:この誤記はワザトだすぅ

*2:そもそもこの協会名記述(一部だけ正字を使用するという漢字の選び方)が日本語表記の幅を示しているものだろう