研究者

本では、DNA二重らせん構造発見のカリスマ、ワトソンが、日本の研究者に対してはプロジェクトの相応の負担を強くせまりつつも、米国議会に対しては日本脅威論を言い立て、主導権を握り予算を獲得し国際プロジェクトをたちあげていくさまが描かれる。カリスマの片割れ、このあいだ亡くなったクリックの生涯一研究者としての無骨な生涯とは対照的に、早くから研究現場から出てスーパーバイザーとして政治主導力を発揮する様はとても感慨深い。日本人的心情では政治的に臨機応変に立ち回るマルチ志向の確信犯より「生涯一なんとか」な保守・ガンコ一徹で世間にうとい学者バカなほうが、人格ウケするんだろうな。しかし、「仕事」の遂行にはどちらのタイプも必要なのだ。本で追求される「負の構造」は、その必要性(ワークフローの多様性)を排除し一元同調化をもって良し(美徳)という原理主義的価値観*1から抜け出ないから、学問セクト内での序列縮小再生産にしか道=学習方法論はないようになる。

長くなるので、今日はここまで。しかし、ハナシはつづくのら。いつものことだけど。えへへ。

*1:統一論理による分類ヒエラルキーの序列硬直化