ラヴ&ピース

イラク人質事件ということで、先に人質になって開放された5人と香田さんは比較される。そして、香田さんのイラク入りは「個人的理由」だからよけいダメなんだそーな。先の5人の元人質や平和運動家とやらの中にも、そういう論調があるという。なんだかなぁ、その選民序列優越思想は。。。
まーナニ考えてもそれは個人の信条の自由の範疇だからそれも有りなんだけど、そゆ選民思想が根底にあるのなら、お願いだから「平和運動家」などと厚かましいことをいうのだけは、金輪際ヤメてほしーな。
建前を振りかざす正義の使者きどりでない良心的で正直な運動家は、香田さんのあまりにもダメが重なってる動機&行動に、「共感」できずに困惑しているという。<コラコラコラ。「共感せんと共闘できん」ちうその「文学的」前提、それがそもそもボタンの掛け違えだよ。「共感」という私的内観と、「事件解決」や「交渉(コミュニケーション)」という外に向けての行動が違うとナゼいけないのか。前の5人の事件の時にカキコ(id:hizzz:20040411、id:hizzz:20040424)したとおり、共感/反感という2項対立のセット化価値基準は、余計なバッシングを次々生んで運動エントロピーを増大させ問題主題解決のじゃまとなり大不毛だからね。昨今の台風や地震被災を見ても、人間が生きていく為に必須なシゴトは、ホント山ほどあるなぁ。
政治的であることが、現政権(国家/資本)への抵抗運動=反政治であり、その基本姿勢がさらなる(内部・細部を含めた)権力闘争を生んでドロ沼化してちっとも平和でないっていう構図は、もう散々やってきて、しかもそれはちっとも成功していない。なのにそれをヤメようとしない。
「共感」「共闘」といいつつ、掲げるモラルジャッジによる排他的行動で「敵」を増やしてるとかさ〜。「それしか手がない」とかいって、自分達の無策を棚にあげるだけならともかく、その代り他者を巻き込む愚かさダケはなんとかして欲しいよ。なんだぁ、ソレ。政治的理屈があるかないかダケで、イラクへ自己存在理由を見付けにショーザフラッグしにいった自衛隊と「自分さがし」した香田さんとは、結局は同じメンタリティ。でー、ナニ、政治的正当性がナイから支持出来ない、とでも?…それぢゃあ、米国やテロと、思想回路は変わりばえしないぢゃん。ひとの生死の存在意義は、政治(思想的立ち位置)ダケなのかよ*1
1ミリの政治意識=権力闘争欲なく緊張常態のベツレヘムでラヴラヴ常態のカップルや「自分さがし」の旅という、フツー=日常を実践する、平和ボケかましこれこそが、もっともラジカルかつアナーキーなラヴ&ピースの在り方なんぢゃあないのかな。
「のんきな日本人」結構ぢゃあないか。余裕なく緊張する世の中、逆にそういう一見弛緩しきった在り方こそ、必要なんでないかな。偉大で凡庸な日常を存分に謳歌することが、ラヴ&ピースの真骨頂ではなかろうか。無論それには、のんきに腹をすえるってことが必要なんだけど、ね。

*1:「個人的なことは政治的なこと」として殊更に自己を政治的立場に位置づける社会思想でもって自己主張していくことを「PC」といっているが、言ってる「ポリティカル・コレクトネス」とは遠く、やってる結果としては「ポリティカル・コレクトレス」にいたってるんぢゃあないかなぁ。。。