すてきな消費ライフ

『すてきな奥さま』(通称「すて奥」)という、20〜30代の世帯年収3〜400万円の主婦の為の雑誌があった。読者モデル世帯の1ヶ月の家計簿が載っている。その年収ならば、月収は20万前後。なのに、毎月の車のローン5万とか払ってたりして。なのにトクイ気に生活節約術として(もっともソレがこの雑誌のウリなんだけど)、牛乳パックの使い回し術とか朝食をつくるのを忘れたフリをして1食代浮かせる豪の者の技等のオンパレード、元祖『銭形金太郎』節。経済的には、どっからどーみてもハタン寸前。「節約」「貧乏」すらも、消費する人たちが出てきているんだよな。最初はエコっぽいノリだったのが、だんだんとヤンママのアケスケぶっちゃけライフみたくなってった。いかに金使わないかの自慢合戦と化し、その節約した金で車や家を買おう(&付帯関連消費喚起)という必死の編集方針もむなしく笛ふけど踊らず、生活付帯関連消費スポンサーばなれを起こした。だもんで広告収入を基盤とする雑誌は成立たないので、廃刊になった。
ただしかし、高学歴低収入者は、男女共にそんな節約ライフをしてまでも、家庭をもとうとはつゆ程も思わないひとが多い。だから自己犠牲=自己消費の多い結婚は損と、冷徹な理性ではそうなる。1日500円亭主とか節約主婦とか、殊更自分の生活を下げてまでも添い遂げたいと思うほどの相手がいる訳でもなし。好条件消費ライフが保障される婚姻以外のライフスタイルはオミットとなるのは、男女共に必然か。