非合理のプロセス理論

こーすればすっごい楽でかつ合理的という明快な案を出してこんこん *1と説明して、ふむふむと納得したにもかかわらず、なおもちょー非整合的選択をしてしまう人は結構いる。実はそんなこんなでワタクシはず〜っと師走状態なのである。こんちくしょう、えーかげんにセイ!
あ、ちょいと私怨がモレましたが、伝統的経済理論では、ふつー、とるべき=最適解=期待効用理論についてのみ議論されていた。が、認知心理学をまぜたプロスペクト理論というものが、ノーベル賞をもらって一躍脚光をあびた。これを理論化したカーネマンとトベルスキーのスタンスとしては「人々は通常合理的選択をおこなっているとはかぎらない」という、きわめて当たり前のトコから出発している。この理論は、最適解のもつ「べき」=モラルではなく、とるであろう行動を説明する記述論である。
意思決定の基となる価値は、横軸に相対的損失/相対的利益、縦軸に主観的価値/損失増加後の価値下落を取り、逆s字カーブをえがくグラフの特定のレファレンスポイント(参照点)からの変化に依存するとした「価値関数」考案した。そうして考察された現象とは…
・損失回避傾向:一般的に人々は、同程度の利益よりも損失の方を相対的に大きく評価しがち。同等の損益であれば、利益よりも損失を重視する。
・鏡映効果:利益が出てる局面ではリスク回避になるが、損失が出てる局面ではリスク許容度が拡大する。
この理論でもうひとつ重要視されてるのが、「決定の重みづけ (decision weight )」。要は、意志決定の際に選択肢(うまくいくとか、そこそことか、ダメポとか)発生の確率について、あらかじめ決定者の主観にもとづく重み付けが行われており、確率に対する評価は客観的な数字通りではなく、主観的評価でバイアスかかって修正されるのである。
損がでる場合は、小さい確率に敏感であるのに、大きな確率は過小評価が少ない。しかし利益が出る場合は、小さな確率の過大評価が少ない一方、大きな確率の過小評価が大きい。
とゆーことで、価値観数上の価値×決定の重み付けというノイジーな要素がかけあわさって意志決定がなされて、非合理が増大するのである。昨今、どうすれば合理的かとゆーより、どうして非合理になっちまうのかってゆーことをあらかじめ計画として考慮にいれておかないと、うまくいかないことは多い。

その他の認知〜意思決定あれこれ:http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20040516

*1:モ〜娘キーワードできたしと、メンゴ。