ワンフレーズ・ポリティクス

働いても生活保護水準以下の賃金しか得ることができない「ワーキングプア」。働けど働けど…啄木ライクなハナシが昨今増大してると、NHKドキュメンタリーで放映*1。中身は、地方のシャッター商店街の要介護妻をかかえた仕立屋、一家総出で生計を立てるいちご栽培兼業農家、リストラ後掛け持ちバイトな40代父子家庭、東京で職さがしに奮戦する宿無し30代地方出身、宿無し20代プー施設出身といったメンツ。う〜ん、、、「暮らしが苦しくなった」ということで、これらの事例を一緒にする意味が、あまりにも単純すぎて、かえってわからない。ひょっとして「上流/下流社会」「勝ち組/負け組」「強者/弱者」説の後おしですかね。>NHK
「話題になればそれでいい」マスメディアが煽りまくるこうした粗雑なハナシに待ったをかけ、個別にきちんと検証するのが、社会批評や市民運動の役目だとおもうのだが、昨今は逆にこういうハナシに乗るのも風潮みたい。こうしたフレーズに喜びいさんで乗っかっている市民派と称する方々、ニート論争とまったく同じあやまちを繰り返しているのではないかな*2。あ、もしかして、ニートは働かない若者オンリーだけど、これに「ワーキングプア」を入れれば、大抵の者は網羅できて「皆様の〜」的にはカンペキという訳?
この程デモ逮捕のリベンジデモした「プレカリアート*3ってのにもそうした疑問を感じる。アキバでやったこともあって、さっそくアキバ系ブログで取り上げられてるが、それが「負け組とも言われる世代・層?のデモ」*4とされている。今回のスローガンは『家事労働者に賃金を!プレカリアートに有給休暇を!サウンドデモ表現の自由を!』*5なのだが、それが警官とのガチンコを見せる結果になってしまっているのだ。幾つかの参加/主催側ブログでも、こうした警察の珍妙な妨害パフォーマンスが全面強調して書かれている。肝心の、んではどーやって「抵抗」するのかという具体的中身については、デモ後の集会でいろいろ討議されたとしか説明がない。
ちょっと、待て!そうした生活不安定層の打倒すべき「敵」は、はたして警察/公安なのか???デモンストレーションしなければならないコトはデモをすることなのか?警察が勝手にからんで邪魔するといったって、そんなの前回の経過を考えれば、充分に想定内の出来事ではないか。違うであろう。「プレカリアート」何処いったんだ、自分達の「正義」さえ立証できればいーのか?邪魔されない様に知恵をしぼって伝達することこそが「運動」なんであって、ただリングに立つことは儀式でしかないのだけどな。
でさー、それでそれをどーするかって具体的な本論に、いつ入るのであろう。本当のワーキングプアは、そんなことでいつまでも警察とアゲアゲで遊んでいられる程、生活に余裕ないのですが、、、>いずれも運動10年選手が並ぶデモ御賛同人の皆様方

*1:http://www.nhk.or.jp/special/onair/060723.html

*2:ひとつのカテゴリーによって物事がフラットになる危険性 http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20060223#p1

*3:今回は逮捕者が出たりしなくてなりよりなんだけど http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20060522

*4:http://www.akibablog.net/archives/2006/08/post_676.html

*5:未だ「準備中」ページがあるというのも、なんだかなぁ。。。「不安定さを強いる社会を転換させる」方策ぐらい(具体的指針)は最低限アップすべし! http://sounddemo.nobody.jp/