主権在民の行使のさせ方

憲法を変えるかどうかと改憲手続きの明文ルール化とは、以前書いたとおり別問題である。>id:hizzz:20070126#p4
モラルとルールの運用で書いたように、国内議論では、なにか完成されたヒナ型が先にあって、後は、それに不可分に従っていれば良い的モラルトーンが強いようにおもわれるが、各国をみてみると、どうも其の時其の時のそれぞれの歴史的齟齬な痛みの解消を第一にしている、もっと実用的で流動的な文意に思える。日本で叫ばれてるような護憲精神とはバッティングせずに盛んに改定がなされ、現代に沿う条項が次々と追加訂正または廃止/全面改定されている*1憲法はモラルではなくルールなのだ。そもそも各国でも規定されてる「護憲」とは、決めたコトを変えないでおく神聖不可侵ではなく、民意を如何に護る運用をしていくかといった人権的意味あいではないだろうか。
政府に改悪される可能性があるから改憲手続きを不明にしとくという憲法改正国民投票法案制定そのものに対する理由は、目的の為には手段を選ばない近視眼で恣意的すぎる。改悪される可能性がなくなるなんてことは、永遠にナイのであるから、第一それでは民主主義そのものが成り立たない。良かれと思ったことでも、時がたって現状に合わなくなるからこそ、ルールは常に現状に試され合意を取って修正削除してく方法こそが、常にシステムに反映される主権在民の根本理念なのでは。

日本国憲法に関する調査特別委員会
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
自民党日本国憲法の改正手続に関する法律案 要綱
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g16401030.htm?OpenDocument
民主党日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案 要綱
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g16401031.htm
改憲手続法案 与党案・民主党案と「修正案」 自由法曹団
http://www.jlaf.jp/jlaf_file/070124taisyou.pdf