アゲンストウインドになる石原批判

都知事選に関して、「浅野氏は「福祉は私の本籍地」と訴えるが、福祉政策を望む人たちが最も支持するのは石原氏。」という報道がなされてたが、これは上記したことが原因ではないか。すなわち、新中間層没落の危機がメディアをにぎわしている昨今だからこそ、単なる福祉政策ではない古き良き昭和中間層の力強い復活ストーリィを描く慎太郎に、中高年保守層は家父長的安心感と希望を強く持つ。
だからこそ「流動化/格差拡大」を主訴にして「不安」を増幅させる一方の革新市民勢/メディアは、この男にとってはまたしてもアゲンストウインドになる。慎太郎はある日突然「石原将軍閣下」になった訳ではないのと同じように、慎太郎支持の中間保守層も、ある日突然、新中間層になった訳ではない。昭和という時代をへてそれぞれの地位を獲得てきたというその事実をヌカして、『太陽の季節』の障子を破るシーンや報道される問題発言などの断片的なトピックで安易な慎太郎批判をいくら繰り返してても、それだけではこうした中間保守層は動かない。