忖度の自由度

平沼赳夫経済産業相(無所属)、島村宜伸農水相(自民)、河村たかし衆院議員(民主)、屋山太郎桜井よしこ等の国会議員超党派&言論グループが、14日付ワシントン・ポスト慰安婦強制否定の全面広告「THE FACTS」を出した。
1「慰安婦らが日本軍によって強制的に慰安婦にされたことを示す歴史文書は存在しない」2「軍の指令は忠実に実行された新聞記事がある」3「規律違反は明らかになった時点で処罰された」4「反日キャンペーン後、慰安婦の証言は劇的に変化した」5「当時世界で当たり前であった公娼制度下の慰安婦の多くは、将校よりも優遇されてた証言がある」とする「事実」をもって、慰安婦決議案内容「性奴隷の罪」は歪曲であるとする。
THE FACTS
http://nishimura-voice.up.seesaa.net/image/thefact_070614.jpg
当該英文と翻訳
http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-83.html

来年の高校教科書の沖縄の集団自決にかんして、文科省は日本軍関与について「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」と削除修正を求めた。
文科省が削除要求 「集団自決」修正 軍関与の記述部分
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706151300_01.html


「強制」は、慰安に限らず至るところにあった。対する被害もあった。しかし、明文化された強制証拠は残っていない。それで、なにもなかったと結論づけていいものであろうか。
ひとりひとりの自由意志をもった〈個〉裁量は極めて少なく、天皇を頂点とした上下間入れ子式関係を統括統治する軍部統制ならば、明文化規制よりも言語外規制で、下部は直属上部の意向を忖度することで行動を決定する。そんな上官意志絶対規制(内容流動的)に統率されていた。忖度というのは、上位を慮ることであるから、上位からの逐一明文命令はない。しかし上位を慮って行動することは、常に求められる。今でいうなら「感情労働」ということである。上位からすれば、それは自分が命令した強制ではないのであるが、下部からすればそれは強制になるのである。そういうぬきさしならない上下関係に「非常時」国民総動員されてたことをヌキにこのハナシは進まない。>国家総動員体制
また、責任追及時に、誰が「首謀者」でどのような命令を下したのかというのがしばしば曖昧になることは、度々カキコしている日本独自の「共謀共同正犯理論」ともこれはリンクする。id:hizzz:20061022