有村治子のアサッテな委員会質問

映画「靖国」で政府答弁書 「上映中止は遺憾」
さすがに政府首脳・自民党内部からも稲田朋美への批判がでたところで、一段落かとおもいきや、またまたきなくさい第二弾。>「靖国」刀匠 議員「本人が削除希望」監督「なぜ変心」
一部報道をうけて、真実をお伝えしたく私・有村の見解をご報告致します

インタビューやドキュメンタリー物にはありがちなことなんだが、登場人物たちが思い描く自分の登場場面ストーリィと、完成された作品中での自分の扱われ方の落差にひどく不満をいだくことがある。これはなにも映像著作物に限らず、報道マスメディアもこの問題を抱えている。これは製作者が登場者に制作・編集・公開意図について説明責任を負うべき、2者間問題である。商業制作物であれば、著作権や肖像権や頒布権など事前に契約を取り交わすが、口約束や慣例を通す編集業界やドキュメンタリーや報道等、たまたま映ってしまっている人物や建物についての権利関係は、常にこうしたトラブルが予想される*1。特に、その当事者が素人さんだった場合、そうした権利関係に疎いであろうし、その場で承諾したとしても、後々の第三者やメディアの「批判」によってた易く気持ちが揺れ動くことは十分にありうる。それを加味しつつ、製作者・監督は全力で当該者への説明に誠意を尽くすべきだ。
このように、伝えられる刀匠との齟齬は、当事者同士が直接相対すればいい民事なので、たとえ仮に有村治子がその刀匠の意を受けた法定代理人になってたとしても、国会=参院内閣委員会で話されなんらかの対処を国がせねばならない必要はない。無論、文化庁助成金交付事業には、なんの責務も関係もない。
参議院会議録情報 第169回国会 内閣委員会 第3号
他に政治&宗教的に問題有りとする有村のクレームは、キャストとして明記されインタビュー受けてる3名の内2名が靖国訴訟原告(のこり1名が刀匠)なので偏向してるといった後で、認定にあたった専門委員の4名の内1名は九条の会でけしからんというから、イーブンに反靖国派を2名にせいという意味かとおもいきや、1名でも偏向してるのがはいってるのがけしからんという始末。偏向がいかんというなら、神社内撮ってて、靖国関係者を含めた親靖国派が一人もはいってないとする見方が、変。制作側が殆ど中国名なので日本映画といえるかというが、日本名をもった者が制作することとは募集要項には書いてないし。また、日本刀と靖国刀の解釈の間違いだの学術的に問題な南京事件の写真が多数使用されてるというが、学術映像をとってる訳でもなし、政治的テーマを取り上げるということと政治的な宣伝意図を有するということは、別ってことで終了。

そもそもドキュメンタリー映画は、社会が直面している問題を取り上げて、作者の視点から描くものです。それを偏っているとか、中立であるかどうかということを問題にするのは、映画の本質を分かっていないということです。
「映画「靖国」をめぐり、「映画人九条の会」への不当な非難的言及に抗議する。」 映画人九条の会
http://kenpo-9.net/apeal/080410_appeal.html

と、いう訳で、現在『靖国 YASUKUNI』にふりかかる禍は、よくよく見てみれば錦の御旗を持ち出すまでもない表現の自由」以前でかたのつくヨタばかりなのだ。