ひきこもりの高齢化

都は昨年7月、ひきこもり専用の電話相談窓口を設置。今年3月までに本人や家族から寄せられた相談件数は延べ1190件で、このうち性別や居住地を申告して相談窓口の利用登録を行った対象者773人のうち、40代以上が17%、30代が29%、20代が34%、10代が12%(不明8%)だった。内容は「職場不適応」などが目立つという。
都は4月から不登校経験者や高校中退者を中心に全国初となるひきこもりを予防するための戸別訪問を実施、独自の「ひきこもり相談マニュアル」を作成するが、40代以上については「若年者層と同一にとらえることは不可能。今のところ対策は考えていないし、考えようがない」(同対策本部)と戸惑っている。
実態調査をまとめた明星大人文学部の高塚雄介教授は「若年者層のひきこもりは心理的葛藤(かつとう)が主な理由だが、40代以上は精神疾患の可能性があり、全く別物。年長者のひきこもりは昔からあり、かつては山にこもるなどしていたが、現代では家庭にこもるしかないのでは」と指摘している。

“高齢化”するひきこもり 40代以上も 都への相談で判明
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080505/trd0805052309015-n1.htm

どうにもこうにもへんな帰結になってる記事。
フリーターが高齢化すれば、ネットカフェ難民が高齢化し、当然ひきこもりも高齢化してるだろう。そしてひきこもり状態が長期化すれば、そりゃあ同調をもって良しとする社会とは当然ズレてしまい、たとえ一念発起して社会に出ても中高齢者にダイハードな現場では「職場不適応」となる確率が高いのではないだろうか。
それとは別に、年功序列制度で40代ともなればなにがしかの役職に自動的になって、管理職向きではない者が「パフォーマンスの低い貰いすぎ中高年」とみなされたり、鬱病などを患いたりして出社できなくなるという場合が「40代以上は精神疾患の可能性があり、全く別物」なんであろう。
ということで、従来の中高年鬱層に若年鬱の高齢化層が増えたということなのではないだろうか。しかし「今のところ対策は考えてないし、考えようがない」ってどーいう無責任ぶりなんであろうか。>都対策本部 <ヲヒこら!こもる家庭さえ喪失してる中高年は、「山ごもり」せいというのかいな。
昔かいたんだがid:hizzz:20030604#p2、会社か家庭かしかセイフティネットがないのが問題。ワタクシが経験している範囲でも、特に精神疾患は周囲人間関係環境によって悪化してしまう。バーストしている者を落ち着かせる為にも、ループする慣性環境から離す必要があるのだ。
とまれ平均余命90年になろうとする長い人生の途中には、思いもかけぬ色々なことが起こる。ディーセントワークと多様なライフスタイル実現の為には、多様重層的なセイフティネットが必要なんである。