プレイメイトの変容

前回書いた、女性の中でホステス業を営む女装トランス・ジェンダーは、同僚女性ホステスの生態を観察して、自分たち(男性女装)とは違って彼女たちは別々のなにものかから女を装うという風に話していた。そんな風にいう彼のいう彼女たちの「なにものか」は女性性を指すことではないことは、確かであろう。

「ストリップ・ショー」1971年 レーンドルフ&トリュルシュ『ヴェルーシュカ 変容』
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もう生まれる以前からずっと1980年代な日本が続いていたと半径数メートルの経験値でおもっているネット「非モテ」おたく達や、アキバ無差別殺人の25歳が持つコード=金と女所有で一人前観も、近代から続いてきたヘテロセクシズムのそれである。それに比べて女性であることの定義はずいぶん変わってきた。
日本とはまたエロのコードが違うのであるが、男性の欲望の為の女性、雑誌PLAYBOYのビンナップガール、playmatesの表象するエロチシズムの時代変遷を眺めると、ずいぶん変化していることが判る。
有名なマリリン・モンローの創刊号にはじまって、〜60年代は肉感美中心いまの基準でいえばややぽっちゃり系で、コケテッシュな感じのメイトが多い。シチュエーションは特にゴージャスという感じもしない、その当時の影のないアメリカン・ウェイ・オブ・ライフ。
70年に入るとメイト達のプロホーションは、手足が長くなりだすと同時にやせ出す。アンダーヘア露出と共に、撮影シチュエーションは間接光を多用し陰影の濃いヨーロッパ・セレブ系別荘内でのゴージャス演出でうっとりが、花盛り。官能目線は、あらぬ方向でしなだれる。
80年頃から只の巨乳でなくメイト達の胸ラインも整い出す。82年頃からはいろんな場所でのワーキングアクト、コスプレ演出が出てくる。後半ごろよりアンダーヘア整形し始める。
90年代、シルクやサテンレースでなくコットンやウールの日常着をまといディスコバーやダイナーやモーテルといった庶民的シチュエーションが出現して、ゴージャスセレブ風は後退。90年代後半より、それまでカールしまくって逆毛たててたライオンヘアから序々にストレートヘアに移行し始める。ピアッシング等のボディメイクも登場。
2000年以降、アンダーヘアほぼ減退で股間ライン強調。間接光多用しつつも、口半開きではなく歯までみせてカメラ目線でにっこり笑うメイトの顔は、きっちり全面ライトアップ。ボディは、もはやモンローと同一というか人間とは思えないスーパーモデル級プロホーション。欲望存在箇所はくっきりはっきり、より直際というところであろうか。。。
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