聖性イメージの簒奪戦

それがどんな時代であっても人々全員が幸福で満ち足りた人生を満喫している訳ではない。
こんなハズではなかったと本当の自分を求める人は、理想と現実の擦り合わせの中での人格生成努力ではなく、あるべき理想的自己がすっぽりはまる世界観を作り上げる方向にむかう。将来に望みがない者は、自らの出自へ過去へと夢想する。今はこんなだけど本当の本来の自分はもっと偉大で立派だったんだという自己確認を反芻する為の土壌として、都合の良い過去世界を作り上げるそれが、スピリチュアル前世占いやエコロジー疑似科学陰謀論歴史修正主義といったスタイルをとる。