CSRとグローバル・コンパクト

グローバリゼイションと共に地域をまたぐ企業活動のの社会的責任として、CSR・ビジネス倫理・サステナビリティなどを統括する上位概念として、1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、国連アナン事務総長がグローバリゼーションによる負の影響を軽減するため、企業・組織体に「地球市民としての責務を果たすこと」を提唱し、国連グローバル・コンパクト(UNGC)という組織を立ち上げた。具体的には参加企業には、「コミュニケーション・オン・プログレス(Communication on Progress: COPs)」を発行し「人権、労働、環境、腐敗防止」の4分野10原則を支持・活動推進とその報告が義務付けられている。世界各国6000社がこれに賛同参加した。日本からは71組織が参加している。2004年にインテグリティ・メソッドが導入され、より整合性ある説明責任と信頼性確保のため参加企業スクリーニングがおこなわれた結果、参加企業に求めている情報開示などのコミュニケーション活動が不十分だとして除名した企業数が通算で630社、317社が活動停止とされてると2008年6月発表された。

【人 権】
 1.企業はその影響の及ぶ範囲内で国際的に宣言されている人権の擁護を支持し、尊重する。
 2.人権侵害に加担しない。
【労 働】
 3.組合結成の自由と団体交渉の権利を実効あるものにする。
 4.あらゆる形態の強制労働を排除する。
 5.児童労働を実効的に廃止する。
 6.雇用と職業に関する差別を撤廃する。
【環 境】
 7.環境問題の予防的なアプローチを支持する。
 8.環境に対して一層の責任を担うためのイニシアチブをとる。
 9.環境にやさしい技術の開発と普及を促進する。
【腐敗防止】
 10.強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む。

国連Global Compactの10原則
http://www.unic.or.jp/globalcomp/index.htm

まさに世界金融危機で経営が苦しい時、PR的なCSR報告書だけではない身のあるこうした原則を徹底順守しつつ社会活動をしていけるかどうかで、企業・組織の真価が見える時代なのだろう。

The Global Economic Downturn
http://www.unglobalcompact.org/NewsAndEvents/news_archives/2008_10_17.html
国連グローバル・コンパクトの意義および課題 梅田徹
http://keiei.soka.ac.jp/assets/images/ctg07/review/data/soka200403/soka200403_04.pdf
国連に「世界経済理事会」構想 独、日本に共同提案打診
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009011102000070.html
2008年危機:経済学への/からの構造的な教訓
http://ja.daronacemoglu.wikia.com/wiki/%E3%80%8C2008%E5%B9%B4%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%80%8D
・事業者の社会的ソリューション id:hizzz:20080528
・自由がもたらすひとつの不幸 id:hizzz:20061022#p2