実現に向けて少しでも努力するよう働きかける

たとえ、ある政府が、今ただちにすべての国民に特定の権利を保障するのに必要な資金(または、資金を集めることを可能にする方策)をもっていない場合でも、政府が、その実現に向けて努力するよう働きかけることは必要不可欠である。とはいえ、問題の権利をある程度まで実現した功績は、それでも認められる。このことがこれらの人権に注意を向け、その実現の推進に役立つ。また、人間開発の成否を決める過程への理解を豊かにすることもできる。人権と人間開発の二つの視点を組み合わせることで、一方のみでは決して得られないものがもたらされるのである。