2008-03-09から1日間の記事一覧

啓蒙バックラッシュ

「利益線の焦点は実に朝鮮にあり」と常に朝鮮をめぐる戦争を意識し危機感をつのらせていた山形有朋は、兵備拡張とその教育が国民愛国の要となる最重要課題だと考えていた。キリスト教を西欧列強の経済的侵略への思想的武器とみなしていた井上毅は、啓蒙思想…

道徳科学の原理は、人か、女か?

1871年(明治4年)、政府は廃藩置県と共に、戸籍法で「家」の範囲を規定し、家長=戸主とする家族が組織最小単位となる。 「抑も世に生れたる者は、男も人なり女も人なり。この世に欠くべからず用を為す所を以て云えば、天下一日も男ならるべからず又女なか…

蝶よ花よ、召しませ女権

徳川幕藩体制において武士は、「家臣」として位置づけられた家臣統制策により、「家」思想が制度化された。恩給=「家録」を専有する当主=「家督」が家族を支配する「家長権」をにぎる。 封建社会における序列は、家長(父)、母(姑)、夫、妻、子(長男)…