不思議ちゃん

さて、近代要請は女性にも平等なフリしてやってくる。〈女〉=欲望の対象と教え込まれた男性達と同じように自分の〈女〉を担保に、社会に居場所取りに出かけた女性達は、自分の場所がまったくない現実に唖然とする。実際の世間とは、建前である近代(=学校教育)とはうそ八百の封建的〈男〉社会なまんまだからだ。それで、〈女〉という社会要求を呼応しないとキビシク変態扱いされる。「アタシ」はココに在るというのに、〈男〉社会の都合の悪い状態な存在はすべからくいなかったことにさせられる。現実の「アタシ」はオミットされて、〈男〉の幻想の中にしか居場所がない。そんなトコにいられるんだろうか。ううう…。ンナところにツケ込んで自分の生存認証権を振りかざしてくる他者はオレ様。だってツケいるスキがあるから安全でラクなんだモン、自己権力を試す居場所さがしにとっては絶好のカモだ。かまってやるよ、いってごらん?
そんな〈男〉に「アタシ」の居場所を探さねばならないのなら、「セクシャリティ」以外は、ウソでも空っぽな「透明なアタシ」でいるしかない。「特別」なんだけど世間にとって「透明なアタシ」。同等なステージではバカだアホだと抑圧されるから、なんとかしてそういうオレ様には絶対出来ないエリアにいるしかない。ステージをたがえることで関係をつくり「透明なアタシ」承認を独占したい、そのためには「透明なアタシ」で居続けることが必須。傲慢な支配権力から本当の自分を傷つけないように距離をとる為の絶好のペルソナとしての不思議仕様。一人女王安全地帯。こうして世間の要請=下半身の欲望=快楽=〈女〉=セクシャリティを真に受けた不思議ちゃんは出来上がる。