自己承認権

かくして、自己承認権を握られた分立場の弱い不思議ちゃんは大抵芸無能だったりするので自分の内実をバーターにしてホントにからっぽになってく。なのに、当の本人は自分の不思議戦略に夢中だから、それに気がつかない。世間でも「無垢」とか「無辜」とか「ピュア」っていーことになってるしー。なんだかんだかまってもらえるぢゃん、ってかんじぃ?…でもさ、年寄の「無垢」とか「無辜」とか「ピュア」って奴は、「愛らしいバカ」なんぢゃなくて、愛らしい=〈女〉の亡くなった只の芸無能な「バカ」として嘲笑排除されるのよねん。
なんでぇ?ってったって、その「愛らしいバカ」って「許可」されるコトによって、ホントの社会に拠る自己承認=自律的な〈個〉というトコからはずされることである。あいつはバカだからしょうがない。不思議ちゃんであることは、〈私〉のままで近代に居続けるラクな方法論だったりもする。だから、アタマの良い女性であればあるほど不思議方法論は早くから思いつく。そして若ければ若い程、その旨味は存分に味わえる。で、ソコで安心してそのママ不思議をやり続けて出たトコ勝負でいると、お先マックラしか待ってない。無論アタマいいので、ンナこたぁ気付くがラク既得権益は放したくナイ、そんな葛藤で割と若くからコジレてくるケースが多い。ひとを惹付け続ける芸達者の無垢って、超難問だもんな。
それなら自己承認権を〈男〉に握られなければいーのかというと、コトはそう簡単には運ばない。根本にある自己承認は同じなのであるからソレが宙に浮くと自己も宙に浮いてしまう。結婚したからったってソレは同じ。今度は「妻」枠だってコトで後はなんだかわかんないアタシでしかないんだから。それでもっと悪いのは、早晩その結婚相手である〈男〉にとっては、〈女〉でない別モンになっちゃうからだ。ここでも又、女性は不利。家庭ってひとりの「妻」という女性っきゃいないトコに切り離された上で、〈女〉でない別モンとされた日にや、アイデンティティクライシスだ。そうなった別モンとわ?と、「ありのままのアタシ」「活き活きと輝くアタシ」んな自己実現系主婦状態を模索して欲望が枯れるのを待つか、〈女〉をやりに外に出てくか、パワーあれば孤高を保てるかもしれないが、なにしろ「現実無視」で宙に浮いてるんだから早晩怪物妖怪化は避けられまい。自分の人生ウソで生きてくには、よっぽどのパワーがあるか鈍感でないと、そのウソで自分が壊れるものね。
でー、問題はこういうコトを〈男〉は一考だにしないちうことだね。だって、自分達は相変わらず〈男〉社会の中で同類項でたむろってればそれで済んぢゃうからだ。そんなコトからか、単純なひとは、〈女〉の共同体をこさえればそれでいーぢゃんと自分の経験値でものをいう。ソレが〈男〉〈女〉というカタチの封建社会なんだよっ!