汎用プロジェクトX

60年代以降、米国産業はコングロマリット化し設備投資が活発になるが人手が足らないという状況を踏まえて、「科学」は熟練のカンにたよらない「普遍」追求をする。それは汎用機の開発競争となって現れる。
製造業の中で一番重要なもの、機械こさえる機械、それは工作機械である。半導体が産業の米なら、工作機械は産業のマザーマシーン。その汎用機開発競争が製造業の国際競争力のキーとなる。数値入力すりゃーいーNC工作機械、さらには加工物固定したまま自動で工具交換し多工程こなしてくれるマシニングセンタの技術が確立。拡大する需要に技術開発が追っ付かず、70年代は技術提携(ライセンス協定)大ブ〜ムとなり、次々と日本企業が米国進出を果たした。加工(工作機械)/ワークフロー(ロボット・パレット)/搬送(ロボット)/保管(自動倉庫)/管理制御(コンピュータ)からなる FMS(ファクトリー・マニュファクチュアリング・システム)が、 通産省キモ入りのもと85年頃にはラインとして実稼働しはじめる。(成功した最後の官民護送船団作業) 制御関係のロボット化はTRON開発もあって一層すすむ。こうして鉄に代表される「重厚長大」型産業から「軽薄短小」型産業へと日本はシフトしていき経済成長を達成する。工作機械の心臓、NC制御部分で日本が90%以上のシュア(ファナック)をにぎり、今のMSライクな状態となる。日米蜜月の幸せな時代だったのだなぁ。