知覚

「視覚」という言葉は示している通り、「視」=視野情報と、それを情報処理して取捨選択する「覚」という知覚行為で、これまでさんざんカキコしてきた見たいモンしか見ないという認知状態はいとも簡単に生まれる。
視覚情報処理には、カテゴリー/プロトタイプ/スキーマの3つの情報組織化深度がある。
対象スペクトルを、「人間」とするのはカテゴリー、その「人間」を「犯罪者系」とするのはプロトタイプ、その「犯罪者系」を「嫌悪」するのはスキーマ。このように対象の印象は「嫌悪」と、脳で解釈処理され知覚となる。

人間が用いている典型的な記憶システムには、抽象的な認知構造、すなわちスキーマがある。これらのスキーマは、それまでの経験から生じ、ある種の情報が特定のやり方で組織化されるようになったものである。
L.ガードナー『多元的知能の世界―MI理論の活用と可能性』

対象と概念に関する膨大な経験の組織化傾向は、スキーマ理論としてとらえている。経験の組織化とは、イメージング(=プラトン的理想像形態)を自己の中でかたちづけして、以降それをひとつの判断基準(=スキーマ)として保つということにほかならない。イメージング、そこで、個別化がおこりうる。