2008-07-31から1日間の記事一覧

都合悪いものは全部スルー出来得る便利な方便

id:hizzz:20080401#p1で書いたが、学問・文化輸入も典籍・文語・中心である。その輸入ものを模造再現する際に誤解&曲解釈をする、解釈・文学主義&歴史修正主義にある。その過程で不都合な元のアイデンティティは消去される。脱ロゴス化は無意味化のための…

モダンの根幹=アイデンティティを削除した表現主義

文化庁下の文化財研究所には、帝国美術院属美術研究所以来の「黒田記念館」があり、いまだに黒田清輝は日本近代美術史の中では突出した地位を物理的にも占めている。子爵の養子という特権的身分の清輝は、法律を学ぶべく渡仏したが、そこで画業に目覚め転向…

日本画の誕生

天心・フェノロサ絵画改良運動は、明治憲法体制へ向けての制度整備と共に、絵画における四民平等・中央集権の啓蒙として推進された。究極的な西欧優位性を保持しつつ西洋にとっての他者である日本を想定しつつ、その日本の伝統を賞賛し、その一方で近代日本…

「美術」という西洋近代思想

贅をつくした美術品は、西洋に於いても為政者の政治力と結びつくことで「お宝」として魅力を倍増して神人一体な威力を発揮するものであったが、一点透視図なキリスト教社会から18世紀後半のブルジョア社会到来でそのかたちを変容させる。市民社会がもっとも…

美術というジャンル

日本には音楽・書画・工芸・彫刻等多々あれど長らくそれらを統一した名称で括ろうとする思考はなかった。「美術」という名称の始まりは、1973年ウイーン万博参加に際してドイツ語につけられた完成訳語だというのが史実。前回書いたとおり、日本の美術(≒視覚…

視覚による啓蒙の残骸

id:hizzz:20080619#p4の厚東洋輔がいう、明治初期のプレモダンからモダンをすっとばしたポストモダン的状況のどろんどろんな現状、日本というゲットーのフレームワーク表装について。