2009-02-14から1日間の記事一覧

変質したシオニズムとアメリカ

シオニズムの日本のイメージは、ユダヤ教という宗教を結びついた保守・右派的印象で把握されてることが多いのだが、実現しているキブツ(集団農業生産)などの生産システムに見られるように、根本的には社会思想から来歴しているものである。 二国家共存案・…

情報の二者択一化と内輪に丸められることでの、問題の矮小化現象

社会がより多元化しアイデンティティの複合状態が一定の正当性を持って受け入れられ始めた結果、イスラエル側・パレスチナ側双方のエスニック・グループによる政治活動、いわゆるエスノ・ポリティクスが盛んになった。ただそれは、伝達される上でいろいろな…

重層的アラブ社会に持ち込まれた国民国家

一般的には「ユダヤ人対アラブ人」という対立図式でイスラエル/パレスチナ「紛争」が表象されるが、ユダヤ人とアラブ人は本来的に別個の実体としてぱっきり別れて対立してるのではなく、そこが元々アラブの土地でもあって、お互い共存して生きてきている限り…

ヨーロッパの鏡像たるイスラエル

イスラエル=特殊としてのユダヤ教と、ヨーロッパ=普遍としてのカント主義の接点は、どこに見出されるのか。「ユダヤ教と、ドイツ哲学の本質としての観念論の歴史的頂点との親縁性、カントのいう契機との[普遍的法則の自律性、自由と義務といった]その基本…

ヨーロッパとアラブ、差異のイデオロギー

米国籍パレスチナ人キリスト教徒であり、イスラエル/パレスチナ二国家分割案の創始者の一人として10年以上パレスチナ国民評議会(PNC)の議員としてパレスチナ解放運動を担っていたエドワード・サイードは、イスラエル国家が行ったユダヤ人の意味づけ=ユダ…

ホロコーストの記憶とディアスボラ・アイデンティティ

前回書いたとおり、ドイツは加害者の「過ぎ去らない過去」を負から正のアイデンティティに変えて体制化していったように、イスラエルも又、ホロコースト被害者たる過去価値を変容させて受け止めようとした。 当初シオニズム主流派のイデオロギーは、ヨーロッ…

普遍と特殊のアポリア

「ヨーロッパ」の対置語は「オリエント」なんだけど、歴史的にはオスマン帝国の影響を受けて、非オスマン帝国な自己を「ヨーロッパ」と規定してその構図をひっくり返そうとした始まりがヨーロッパ帝国文化ってハナシで、そゆ裏返しみたいなことが延々と。。…