2009-01-03から1日間の記事一覧

イスラエルのガザ侵攻関連

なにもデリダリアンを自称している1国の文芸者&フォロアーの歴史アプローチだけではなく、激化する一方のこの現在進行形の惨劇に接続してることが↑声明文の転載動機でもあるので、やっぱり書いておくことにする。 2008年12月27日パレスチナ自治区ガザにイ…

共同声明に対するデリダのコメント

ユルゲン・ハーバマスと私にとって、この分析――それは同時にアピールでもあるのだが―に共同で署名することは、切実な意味を持っている。過去にいくつかの論争があり、それがわれわれをたがいに遠ざけていたかもしれない。それにもかかわらず今日、ドイツとフ…

ホロコーストの確認

今日のヨーロッパには、20世紀の全体主義政治の経験とホロコースト――ナチス政権が、その被占領国の社会をもまきこんで遂行した、ヨーロッパ・ユダヤ人の迫害と絶滅――の痕跡が刻み込まれている。こうした過去についての自己批判的な議論が、政治の倫理的な土…

複数の歴史的経験と社会

自覚的に習得されることをもとめて名乗りをあげているこれら「立候補者たち」について、最後にいくつかのメモを書きとめておこう。こうしたさまざまな歴史的経験から光をあてれば、ヨーロッパの戦後メンタリティの顔立ちがいっそう鮮明に見て取れるだろうか…

歴史的経験と公共的アイデンティティ

福祉国家による階級対立の解決、EU枠内での国家主権の自発的制限は、こうした相互承認の動きのもっとも新しい例である。1950年からの四半世紀、ヨーロッパは鉄のカーテンのこちら側で、エリック・ホプズボームの言葉に従えば、その「黄金時代」を享受した…

差異の承認

理想をめぐるこのような議論がもしヨーロッパじゅうに広がっているのだとすれば、当然そこにはすでに醸成された機運があって、それがすでにヨーロッパ内部でのコンセンサス形成を、いわば待ち望んでいる、ということになるはずだ。だがこれは楽観的すぎる仮…

ヨーロッパ的アイデンティティの確認

EU強化政策は現在、行政的コントロールという方法の限界に突き当たっている。共通の経済圏・通貨圏の構築過程で、これまではオフィシャルな命令が改革を先導してきた。だが、こうした駆動力はもう限界に来ている。市場競争の障害除去を加盟国に要求するだ…

ヨーロッパを再構築するEU

二つの日付を、われわれは忘れるべきではあるまい。一つは、スペインの首相がブッシュへの忠誠を表明したことを新聞が報じ、読者を唖然とさせたあの日のことだ。スペインの首相は他のEU諸国に隠れて、戦争に乗り気になっていたヨーロッパの諸政府に対し、…

“Unsere Erneuerung”前説

ジャック・デリダとユルゲン・ハーバマスによるこのエッセイは、ヨーロッパ知識人たちの共同行動の一環をなすものである。イラク戦争に対する拒否によって、ヨーロッパのアイデンティティとは何か、という問いがあらためて提起された。この問いに答えるべく…

『われわれの戦後復興―ヨーロッパの再生』

収納箱をほじくりかえしてたら出てきましたよ、奥さん。デリダ&ハーバマス共同声明全文。id:hizzz:20081210の補講id:hizzz:20081227の補講。 …整理のつもりが逆に散らかす、お約束な正月展開。はぅう。